ホワイトニングについて
ホワイトニングとは、普段の歯磨きだけでは落としきれない歯の着色を除去して歯を白くする審美歯科治療の一つです。人の永久歯は本来白色ではなく多少黄色がかった色をしていますが、加齢や茶渋などのステイン、タバコのヤニなどにより徐々に変色していきます。このような場合、以前では歯の表面を削るという手段が取られていましたが、今ではホワイトニングによって歯をきれいにすることが可能になりました。ホワイトニングでは歯の表面を削ることなく、歯の着色部にある色素を分解することで歯を白くしていきます。この技術はアメリカで実用化されたもので、その安全性の高さゆえに日本にも広く普及してきています。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングの種類には、自宅等で自分で行うホームホワイトニングと歯科医院等で行うオフィスホワイトニングの２種類あります。ホームホワイトニングは、歯科医院で作成できる個人の歯型に合ったマウスピースにホワイトニングジェルを流し込んで装着することで歯を白くしていく方法です。この方法は効果を得るまでに時間がかかりますが、そのぶんオフィスホワイトニングに比べ白さが増し持続性も長くなります。オフィスホワイトニングは、歯にホワイトニング剤を塗り付けて、レーザーや光などを当ててホワイトニング剤を活性化させることで歯を白くする方法です。この方法では、短時間で歯を白くできますが持続性は多少短くなります。
ホワイトニングの効果
ホワイトニングの効果は、歯の着色汚れを除去して歯を白くすることです。ホワイトニングに必要なホワイトニング剤は、過酸化水素を主成分にしています。過酸化水素は歯の表面に付くと水と酸素に分解されますが、この酸素が着色部にある色素と結合することで色素が分解されて、その結果着色汚れが除去されます。ホワイトニングは、歯の色素のみを除去して歯を白くするため歯を傷めることが無いということが特徴です。加齢による歯の黄ばみや茶渋などのステイン、タバコのヤニなどに対して、ホワイトニングは効果を発揮します。
ホワイトニングのメリット・デメリット
ホワイトニングのメリットは、歯を傷つけることなく歯に明るさと白さを取り戻すことができるということです。更にホワイトニングは何度でも行えるため、好みに合わせて明るさや白さを調節することが可能です。ホワイトニングではホワイトニング剤を使用しますが、副作用が少なく安全性が高いです。次に、ホワイトニングのデメリットについてですが、一度行っただけでは十分な効果を得ることができず短期間で色が後戻りしやすいということです。個人差がありますが、基本的には複数回の通院が必要になります。持続期間は、オフィスホワイトニングの場合は約６ヶ月程、ホームホワイトニングの場合は約１年〜２年程です。また、ホワイトニングは天然歯には効果がありますが、入れ歯や差し歯に対しては効果がありません。これらのメリット・デメリットを参考にして、担当の歯科医師の方と相談するのが良いでしょう。
ホワイトニングの料金
ホワイトニングの料金は、ホワイトニングやホワイトニング剤の種類、専用の医療機器などの組み合わせによって変化します。ここでは、一般的なホワイトニングの料金を紹介しますが正確な料金に関しては、お近くの歯科医院で相談してください。オフィスホワイトニングの料金は、歯１本につき約２千円〜１万円かかります。オフィスホワイトニングのほとんどの場合で、上顎と下顎にある前歯各６本の合計１２本を施術することになるので約２万円〜１０万円となります。ホームホワイトニングにかかる料金は、主にホワイトニングジェルを流し込むためのマウスピースの作成費用であり、相場では約１万円〜５万円です。最近では、市販のホワイトニング商品が販売されるようになりこの商品の料金相場は約５千円〜１万円となっています。ただし、初めてのホワイトニングは、安全性を考えると歯科医院や審美歯科で診てもらうことをお勧めします。
ホワイトニングができない人
魅力的な審美歯科治療の一つであるホワイトニングですが、ホワイトニングを受けることができない人がいます。ホワイトニングは、歯にホワイトニング剤を直接塗りつける治療のため、虫歯や歯周病を持っている人はそれらの疾患がホワイトニング剤により悪化する危険性があるため、治療を受けることができません。また、ホワイトニングは天然歯には効果を発揮しますが、入れ歯や差し歯などの人工歯には効果がありませんので、人工歯に関しては治療することができません。妊娠中の方も、これまでホワイトニングによって問題が生じたことがありませんが、一般論として妊娠中はホワイトニングを避けた方が良いとされています。
ホワイトングを行う時の注意点
ホワイトニングは、基本的に安全な審美歯科治療であり危険性はほとんどありません。しかし、使用方法を誤ると知覚過敏などの好ましくない症状を引き起こすことになります。特にホームホワイトニングにおいて、規定を無視して自分勝手にホワイトニングの時間と回数を決めて行うと、危険性がぐっと高まります。定められている時間と回数を守れば危険性はありませんので、歯科医師の指導に従って安全なホワイトニングを心がけましょう。